
2020年の8月までサービスが提供されていた「完全無制限のポケットwifi」ですが、現在は全てのサービスが停止しています…!
それに対して「なんで無制限ポケットwifiはなくなってしまったの?」「自分も契約しようと思っていたのにな…」などと考えている人は多いと思います。
そこで今回の記事では、「そもそも無制限ポケットwifiとはどんなものなのか?」や「完全無制限のポケットwifiが消滅した経緯」などについて解説していきます。
目次
無制限ポケットwifiとは?完全無制限は存在しないの?
クラウドWiFi![]() |
WiMAX![]() |
ポケットwifi![]() |
|
---|---|---|---|
容量制限 |
完全無制限 |
実質無制限 |
実質無制限 |
実際の容量制限 |
完全無制限 |
3日で10GB |
3日で10GB |
速度制限 | 128kbps | 1Mbps | 128kbps |
制限時間 | なし | 翌日の18:00~26:00まで | 当日の18:00~25:00まで |
使用回線 | softbank au docomo |
WiMAX2+ au 4GLTE |
SoftBank 4G LTE |
無制限ポケットwifiとは、月間の容量制限が「完全無制限」のポケットwifiのことです。2020年8月までは「クラウドWiFi」と呼ばれるサービスが無制限ポケットwifiでした。
ですが、2020年の4月ごろからクラウドWiFi業界全体で通信障害が相次ぎ2020年9月に全ての「完全無制限」のクラウドWiFiサービスが停止してしまいました。
そのため、現在は「完全無制限」の無制限ポケットwifiは存在していません。
代わりに、3日10GBなど数日単位での制限があり月間では容量制限のない「実質無制限」のサービスが無制限ポケットwifiとして紹介されています。
完全無制限ポケットwifiが消滅した経緯を5ステップで解説!
完全無制限のポケットwifiが全てサービス停止となったことを説明したところで、それらのサービスが全て消滅した経緯についても解説していきます。
完全無制限ポケットwifi消滅の経緯は、ざっくりと解説して上記5ステップで解説できます。この後から1ステップずつ解説していきますね。
❶.2020年2月21日「どんなときもwifi」に通信障害が発生
※出典:どんなときもwifi公式HP
完全無制限のポケットwifiが全て消滅した発端は、2020年2月20日に発生した「どんなときもwifi」の通信障害にあります。
どんなときもwifiは、クラウドWiFiの中でも最も初めに提供が始まったサービスです。世間の認識では、「無制限WiFi=どんなときもwifi」と言っても良い知名度でした。
当初の発表では、2020年3月1日には障害が復旧する予定でしたがその後通信障害が復旧することはありませんでした…汗
次のステップ❷では、この通信障害が発生した原因について解説していきますね。
❷.通信障害の原因は「SIM」の総量が不足していたこと

完全無制限ポケットwifiの代表的な存在である「どんなときもwifi」に通信障害が発生した原因を解説するために、まず完全無制限のクラウドWiFiの仕組みを解説しておきます。
クラウドWiFiは、クラウドサーバーという機械に挿入されたSIMカード情報を場所や時間に合わせて適宜端末にダウンロードすることで通信を行っています。
そそこで、サーバー上の1枚のSIMの容量が超過して速度制限がかかっても別のSIMをダウンロードし直して通信することで「容量無制限」を実現していました。

どんなときもwifiの通信障害は、クラウドサーバー上で容量が残っているSIMの枚数よりもユーザーの方が多くなってしまったことで起こりました。
イメージとして上記イラストのように、サーバー上の5枚のSIMのうち2枚が残り容量0GBになっているのにユーザーが5人いる状態です。
本来であれば、全てのユーザーに速度制限がかかっていないSIMカードを割り当てられるはずでした。
ですが、運営元の予想よりも大幅に「ユーザー数」「通信量」が多かったため、全てのユーザーに速度制限のかかっていないSIMを割り当てることができなくなってしまったんです。

ちなみに、クラウドWiFiは端末にSIM情報をダウンロードして通信しているので1枚のSIMを2台の端末で共有することはできません。
そのため、「クラウドサーバー上の容量の残っているSIMの枚数」よりも「ユーザー数」の方が多くなってしまうと通信障害が発生します。
❸.度重なる苦情により「どんなときもwifi」へ総務省から行政指導が入る
❷で説明したように、完全無制限wifiの代表格である「どんなときもwifi」に通信障害が発生したことで、多数のユーザーから消費者センターに報告が入りました。
それにより、総務省からどんなときもwifiを運営する「株式会社グッド・ラック」へ電気通信事業法に基づく行政指導が入ることとなりました。
行政指導へきちんと対処しないと、行政処分が行われ営業停止措置がとられることもあります。そのため、株式会社グッド・ラックは問題解決へ向けて全力で対処することとなりました。
❹.問題の解決が困難なため「無償解約」「制限ありプランへの移行」のどちらかを提案

❸で説明した行政指導が入った結果、株式会社グッド・ラックは「どんなときもwifi」を完全無制限のまま続けるのは難しいという判断を下しました。
それに伴い、既にどんなときもwifiを契約しているユーザーへ向けて「無償解約」か「25GBの制限ありプランへの移行」を促すこととなりました。
❺.これを皮切りに「完全無制限のクラウドWiFi」が次々とサービス停止
サービス名 | 受付終了月 | 現在の容量制限 |
---|---|---|
どんなときもWiFi | 2020年4月 | 月間25GB |
Mugen WiFi | 2020年4月 | 月間100GB |
ZEUS WiFi | 2020年7月 | 月間100GB |
THE WiFi | 2020年8月 | 月間100GB |
どこよりもWiFi | 2020年8月 | 月間最大200GB |
ここまで紹介してきた❶~❹の一連の騒動を皮切りに、完全無制限のクラウドWiFiを提供していた各社が続々と無制限サービスを終了していきました。
上記表で、ユーザー数が多く代表的な5社の対応状況をまとめています。2021年1月現在、どんなときもWiFiのみ新規受付を停止しており、他の4社はプラン変更と共に新規受付を再開しています。
また、2020年8月以降新しい無制限WiFiも登場していません。現在主流の容量は「3日で10GB」か「月間100GB」となっています。
完全無制限のモバイル回線は理論上難しい事を理解しておこう!

現状「無制限WiFi」と宣伝しているポケットwifiはいくつか存在しますが、完全無制限で使えるモバイル回線というのは現実的ではありません。
上記画像は、クラウドWiFiの仕組みの画像です。クラウドWiFiでは、SIMを無数に用意して容量制限がかかったら別のSIMに書き換えることで無制限的な通信を実現していました。
ですが、クラウドWiFiでは無制限の実現が難しいことは現状が物語っていますね。2020年の8月一杯で日本国内で使える無制限サービスは全て新規受付停止となりました。
完全無制限のポケットwifiの実現が難しいことは、ポケットwifiなどのモバイル回線について説明することで理解ができます。

上記画像は、ポケットwifiで送受信されているデータのイメージ画像です。ポケットwifiでデータを送受信できる量は「通信速度」と「帯域幅」で決まります。
通信速度が早ければ一秒間に送れるデータの量が多くなるので、たくさん通信できます。また、帯域幅が広ければ道路の車線が増えた時のように横並びに送れるデータの量が多くなります。
そのため「通信速度が無限に速く」「帯域幅が無限に広い」データ通信網を作れば完全無制限のポケットwifiを作ることができます。ですが、現状「通信速度」と「帯域幅」には限界があります。
- 通信速度が速い→送受信できるデータ量が多くなる
- 帯域幅が広い→送受信できるデータ量が多くなる
また「通信速度」「帯域幅」は、電線や電波塔を増やすことで「速く」「広く」なっていきます。ですが、電線や電波塔を無制限に増やしていくことはお金がかかるので現実的ではありません。
なので、ポケットwifiには「通信制限」が設けられています。ちなみに、「光回線」の場合はモバイル回線よりも圧倒的に通信速度が速いので無制限で現在の技術でも現実的なコストで無制限通信ができます。
現在の技術では、ポケットwifiで「無制限通信」をするのは難しいです。そのため、「無制限」という言葉は信じ無いようにしましょう…!
無制限ポケットwifiを契約したいなら「実質無制限」の「WiMAX」がおすすめ!
WiMAX![]() |
Pocket WiFi![]() |
クラウドWiFi![]() |
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---|---|---|---|
容量制限 | 3日で10GB | 3日で10GB | 月間100GB |
制限時間 | 翌日の18:00~26:00 | 当日の18:00~25:00 | 100GBを超えた日から月末まで |
制限時の速度 | 1Mbps | 128kbps | 128kbps |
ここまで、完全無制限のポケットwifiは現在は存在しない事や技術的に難しい事を解説してきました。それでも無制限のポケットwifiをどうにか契約したいなら、WiMAXが一番理想に近くおすすめです。
WiMAXには3日で10GBの容量制限があります。そして、容量を超過した場合の速度制限は「翌日の18:00~26:00」の間にかかります。
速度制限は翌日からなので、当日だけを考えれば速度制限がかからず容量無制限で使うことができます!

イメージとしては、こんな感じです。上記画像では9月3日の時点で3日間の合計は10GBを超えていますが、速度制限は翌日からなので10GB使っても20GB使っても通常速度で通信できます。
また、速度制限がかかっても下り1Mbpsで通信できるので最低限のことはできます。例えば、YouTubeもSD画質(720*480)程度の画質で視聴できます。
これらの理由から、現在一番無制限に近いポケットWiFiは「WiMAX」だと言えます。当サイトでは、全28種のWiMAXを比較して最もおすすめのサービスを紹介しています。
この記事を読んでWiMAXが気になったようでしたら、「WiMAXプロバイダ全28社を比較して最もおすすめの1社を紹介!」の記事もチェックしてみてください!
WiMAX全28種を比較した記事をチェック!
エリアの広さや通信の安定性を求めるなら「実質無制限」の「エキサイトモバイルWiFi」もおすすめ!

月額費用 | 3,580円 ※端末補償サービス込み |
---|---|
通信速度 | 最大300Mbps |
通信制限 | 3日で10GB 月間容量制限は無し |
契約期間縛り | 12ヶ月 |
使用回線 | NTTドコモ 4G/LTE |
ポケットwifiにエリアの広さや通信の安定性を求めるなら、月間容量制限の無い「実質無制限」の「エキサイト(excite)モバイルWiFi」もおすすめです。
エキサイト(excite)モバイルWiFiは、ドコモのSIMを使った1年縛りのポケットwifiです。元電電公社のNTTの回線を使っているので、回線の品質はピカイチです。
また、容量制限についても3日で10GBの容量制限はありますが月間の容量制限が無い「実質無制限」のサービスです。
ただし、速度制限についてはWiMAXと違って当日から制限がかかります。そのため、WiMAXのような1日だけ完全無制限の運用はできないので注意してくださいね…!
エキサイト(excite)モバイルWiFiは、回線の品質が良く屋内や地下鉄でも良く繋がる大容量のWiFiを探している人におすすめのサービスです。
無制限ポケットwifiに関する9のFAQ
最後に、記事本文中では書き切れなかった「無制限ポケットwifi」に関する細かい疑問についてFAQ形式で解説していきます。
ここまで記事を読んでいただいても解決しない疑問があるようでしたら、こちらのFAQにも目を通してみてください!
docomoのポケットwifiは無制限で使えるの?
ソフトバンクのポケットwifiは無制限で使えるの?
レンタルポケットwifiなら無制限で使えるの?
ワイモバイル(Y!mobile)のポケットwifiは無制限で使えるの?
auのポケットwifiは無制限で使えるの?
格安simをSIMフリーのポケットwifiに差して無制限で使う事はできないの?
楽天市場のポケットwifiで無制限のプランがあるけど本当なの?
LTEのポケットwifiで無制限のサービスはあるの?
法人向けポケットwifiで無制限のサービスはあるの?
まとめ
- 完全無制限のポケットwifiは存在しない
- どんなときもwifiへの行政指導を皮切りに全ての無制限ポケットwifiは終了した
- 現状最も無制限に近いポケットwifiは「WiMAX」
今回の記事では、無制限のポケットwifiは存在するのか?や無制限ポケットwifiがサービス終了に追い込まれた経緯などについて解説してきました。
結論から言うと、現在完全無制限で使えるポケットwifiは存在しません。「無制限」と宣伝する全てのサービスが「偽」無制限なので注意しましょう。
以前までは、「クラウドWiFi」と呼ばれるサービスが完全無制限で使えたのですが、クラウドWiFiの代表格である「どんなときもwifi」が行政指導を受けたことを皮切りに全てのクラウドWiFiが新規受付停止となってしまいました。
また、現在最も無制限に近いポケットwifiは「WiMAX」です。WiMAXは3日で10GBまでの容量制限があります。ですが、容量超過後に速度制限がかかるのが「翌日18:00~26:00」です。
そのため、当日に限って言えば完全無制限で使うことができます。「無制限のポケットWiFiを契約したい」という人は、ぜひWiMAXを検討してみてください。